センター案内

所長からのメッセージ  

令和5年度教育センターの取組方針

現在の子どもたちを取り巻く社会の状況は、AIに代表される急速なテクノロジーの進展、国際情勢の大きな変化、世界経済の不安定さ等、多くの課題を抱え、国際協力や多様性を尊重する姿勢がますます重要となりつつあります。

このように急激に変化する時代の中で、我が国の学校教育には、一人一人の児童生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるよう、その資質・能力を育成することが求められています。

そして、2020年代を通じて実現を目指す新しい時代を見据えた学校教育の姿として、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのない学び(個別最適な学び、協働的な学びの充実を通じた、「主体的・対話的で深い学び」)の実現が求められています。同時に、個別最適な学び、協働的な学びの充実を通じた、「主体的・対話的で深い学び」の実現は教師自身の学びにもあてはまり、「新たな教師の学びの姿」として、研修観の転換が求められているところです。

そのような中、広島市においても、広島市教育大綱に基づき、「未来を担う子どもの育成こそが、これからの広島の発展の礎となる」という考えのもと、子どもたちがいかなる境遇の下にあっても困難を乗り越え、夢や希望に向かって挑戦する心構えとそれを継続する力を身に付けさせるとともに、これからの都市づくりを担う人材として、地域への誇りと愛着を持ち、多様な人々と主体的・積極的に協働できる社会性を身に付けさせるため、誰一人取り残すことのない、「豊かで深い学び」による広島らしい教育を進めているところです。

これを受け広島市教育センターでは、誰一人取り残すことのない、「豊かで深い学び」による広島らしい教育を支える「新たな教師の学びの姿」の実現のため、教師の学びの伴走者として、広島市教育センター条例に基づき、「研究」「研修」「資料の収集、作成及び活用」に係る事業を推進して参ります。

「研究」においては、教師の「主体的・対話的で深い学び」を促進するための、合理的かつ効果的な校内研修体制モデルの作成に向けた研究を進めていきます。

「研修」においては、人材育成基本方針に基づき、大臣指針に示された教師に共通的に求められる資質能力の柱の再整理にあわせて変更した「校長及び教員としての資質の向上に関する指標(育成指標)」を踏まえ、意図的・計画的に実施していきます。特に三つの柱として、若手教員、推進リーダー、管理職の育成に継続して取り組むとともに、経験年次や職務に応じて求められる力を身に付けることができるよう、「子どもの理解」「授業づくり」「マネジメント力」の三つの内容に力点を置いて実施します。

「資料の収集、作成及び活用」においては、教員の自己研修を支援できるよう、Webページのコンテンツや図書資料等の整理・充実を図り、教師の学びを支援していきます。

かつて、広島市の教育は原爆により全てを失いました。それでも、広島市は、子どもたちに社会で生き抜く力を身に付けさせるために、「平和への教育」という広島市の教育をつくりあげてきました。その広島市の教育を創造するというバトンは、今も脈々と受け継がれています。

本年度も広島市教育センターは、広島市の教育のバトンを受け継いでいく先生方の「学び」を支え、共に歩み続ける教育センターでありたいと考えます。本年度も広島市教育センターをよろしくお願い致します。

所長 松浦 宰雄

図1